当番世話人挨拶

第22回肝がん分子標的治療研究会学の開催にあたって

この度、第22回肝がん分子標的治療研究会学を担当させて戴く新百合ヶ丘総合病院肝疾患低侵襲治療センター(神奈川県:川崎市)の國分です。2020年(令和2年)6月06日にオリンピックの東京を避け、故郷石川県の金沢で開催させて戴くことになりました。

思い起こせば分子標的薬Sorafenibが「切除不能肝細胞癌」に対し2009年5月に承認される4か月前の肝血流イメージ研究会の合間に、後に本会の代表世話人となるいつも冷静な工藤正俊先生が、田中正俊先生と私に向かって「これからの進行肝細胞癌治療は分子標的薬が主役になる!」と、とても熱く語っていたことを鮮明に想い出します。そしてその第一回日本肝がん分子標的治療研究会<2010年(平成22年)1月16日>において一般演題Session1-1の司会は私が務めさせて戴きました。

あれから10年―本年1月奥坂拓志先生の第21回大会でちょうど10年の節目となり、第1回開催時にはソラフェニブ(2009年5月承認)しかなかった肝細胞癌に対する分子標的治療薬は、幾つものhead to headの治験を経て、8年後に2nd lineとしてレゴラフェニブ(2017年6月承認)、本邦発のレンバチニブ(2018年3月承認)、そして静注薬ラムシルマブ(2019年6月承認)が続けて承認され、ここからさらに免疫チェックポイント阻害剤との併用や新規分子標的薬による治療法の進展が期待されています。

また、一方では本薬の効果持続にDose Dependent のFactorも否めず、そのための継続には、他臓器癌とは異なり肝機能異常を背景とする肝癌が対象であること、特に肝性脳症や全身倦怠感などの合併症の軽減には門脈圧亢進症や栄養を含めた肝硬変への対策を常に念頭に置き、その見識を高める必要があります。

この第22回肝がん分子標的治療研究会は、これから10年の新たなStartになろうかと存じます。上記の効果持続への対策や肝癌治療全体の流れの中で分子標的治療とConversion(TACE,RFA,MWA他)にも触れ、現実に即した明日の肝癌治療に繋がる有益な研究会になるよう努めていきます。臨床医、研究者のみならず、サポートして戴くCo-Medicalの方々も含め、多数のご参加を期待しております。

当日は、一年間で最も県外からの来訪者が多いとされる百万石祭りと重なっており、参加者はじめ、関係各位にはご迷惑をお掛けするとは思いますが、時間のやり繰りでむしろ融合できればと存じます。初夏の金沢を味わって戴ければ幸いに存じます。

國分 茂博